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※最初に。現状オリジナルのツィーターが1本ボイスコイル断線につき鳴りませんでした。またもう一本のツィーターは正常に鳴りますが、バッフルから外す際にプラスチックのガスケットが固着しており、ユニット周囲の台紙が部分部分剥がれ、プラガスケットも下部にクラックが入りましたがそちらは接着剤で補修済です。
しかし片方だけ交換しても音色が不揃いになりますので、サイズ、インピーダンス、同じエッジレスコーンタイプ、時代が近いTRIOのデッドストックフェライト磁気回路ツィーターに左右とも換装しています。オリジナルのアルニコツィーターに比べると見劣りしますが、他社モデルにも広く使われ定評のあったユニットです。またVS-450のキャラクターはネットワークとウーファーユニットで8割9割を占めており、そのツィーターも個人的にはなかなかマッチしているように感じます。アッテネータ付きで微調整もでき、個人的には40%辺りが一番しっくりきました。オリジナルのツィーターも同封いたしますが、修理を試みた跡などもありますし、これはあくまでおまけと思っていただければと思います。
これらは
【概要】1970年頃にで発売されたCOLUMBIA DENONの10cmウーファー＆5cmツィーターの2WAYコンパクトバスレフスピーカーです。バッフル面積がA4サイズ未満で奥行含めミニコンスピーカー並みのコンパクトなモデルですが、そのというプライスは当時の同社モデル含め30cmウーファーの大型3WAYクラスに迫るもので、このサイズにしては異例の高価格モデルでした。と言うのも実はこのモデル、BOXサイズやバスレフポート形状等細かな差はあるものの、放送局用小型モニタースピーカーだった業務用モデル、DS-103からアンプを取り除いて民生用パッシブスピーカーとして発売されたモデルでして、その中身は1970年当時でも、80年代でも、何なら今の時代でも一般的な10cm2WAYの印象をはるかに上回る化け物スピーカーです。
ウーファーユニット(10RW02)は口径10cmながら分厚いアルミダイキャストフレームに大型アルニコマグネットを積み、ボイスコイルもセンターキャップと同径の大口径なものです。またフレームにはまるで今時のスピーカーのようにダンパー背圧を逃がす金属メッシュ付きの孔まであります。さらに『振動板＋エッジ』と同口径の『ダンパー＋ダンパー用エッジ』があり非常に凝った構造です。ダンパーの外周が白色のエッジに接着されており、そのエッジは振動板のエッジと逆向き配置され非直線性を打ち消すプッシュプル構造になっているそうです。構造は全く違いますがP.P.D.Dの発想の原点かもしれませんね。ちなみにDS-103のウーファーユニットは10RW01で、主な違いは若干のフレーム形状の違いと、10RW02のその金属メッシュが内側に装着されているのに対し、10RW01は外側にホットボンドで布メッシュが接着されているくらいだと思います。それに比べると5cmエッジレスコーンツィーター(50RT03)はオーソドックスなものですが、それでも口径に対しこちらも大きなサイズのアルニコマグネットを積んでいます。ただし現状1本がボイスコイル断線につき鳴らなかったため、サイズ・インピーダンス・同じエッジレスコーンタイプ・時代が近い、TRIOのデッドストックフェライト磁気回路エッジレス5cmコーンツィーターに左右とも換装しています。オリジナルのアルニコツィーターに比べると見劣りしますが、TRIOのJL-シリーズによく使われていたユニットで、これと基本同じものがOTTO・marantz・MARBLE人造大理石スピーカー等の他社モデルにも広く使われていました。シンプルなようでエッジレス且つセンターキャップもコーンと一体成型の一枚物と意外とツボを押さえた構成で、素直で伸びやかな音に定評のあったツィーターユニットです。またVS-450のキャラクターは凝りに凝ったネットワークとウーファーで8割9割を占めており、換装ツィーターもよく馴染んでいます。
そのネットワークも細かい構造までは分かりませんが、素人の私が見てもただならぬオーラを感じます。黄色いフィルムコンデンサは最初誰かが今の時代に改造したのかと思いましたが、ホットボンドや絶縁チューブの組み方などオリジナルに見えましたし、高品質なNCC 松尾電機製コンデンサなため当時のオリジナルの構成のままだと思います。如何せんインターネット上で検索しても分解写真等一切なく、もしかすると私が初公開かも？しれません。
BOXもバッフル板以外は合板ですが、バッフル板はアルミ板で、16本のビスでBOXに固定されています。アルミバッフルに肉厚アルミダイキャストフレームウーファーユニット、大型ネットワークなこともあり、幅203×高さ289×奥行236(mm)のコンパクトサイズながら重さは1本6.5kgあります。
音はとても重厚・濃厚・ナチュラルなもので、小音量から既にどっしり感のある低音は10cmウーファーのそれではありません。出力音圧レベルが82dB/W/mと、当時高能率スピーカーが当たり前だったような時代において異例の低能率モデルで、本機が一般ユーザーにどれくらい正当に評価されたのか謎です。しかし小音量時からウーファーの鳴りっぷりが良くしっとり感すらあり、しかしあくまで10cmウーファーのコンパクト2WAYで定位もピシッとあり非常に好印象です。また音の土台の大半はそのウーファーが占めていますが、ネットワークのツィーターへの振り分けも丁寧なようで、クリアに良く伸びていますがシャリシャリうるさいだけの薄くて雑な音色ではありません。トータルでしっとり感・どっしり感はあるのに隅々まで見渡せるような臨場感豊かな明るいサウンドです。当時の専門家の中には「曲によって何となくボール紙臭い音に聴こえるときがある。中低域以下の厚みに欠けるため、すべて小じんまりと、薄くスケールの小さい音になってしまう。」という評価をした方もいらっしゃったようですが、私が聴いた限り臨場感もしっかり感じられ、薄くもなければボール紙臭くもない、唯一無二の力作モデルに感じました。今の時代ならハイパワーアンプもたくさんありますので、今こそ50年ぶりに真価を発揮する時がやってきたモデルかもしれません。YouTubeにテスト動画をいくつかアップしていますので是非ご試聴ください。『DENON VS-450』で検索して出てくる動画は、現時点で全て私のアップロードしたものです。

【●以下は今回私が補修した箇所です（写真6枚目）●・今時の輸入スピーカーでも時々あるようですが、片方のスピーカーのネットワーク部の電解コンデンサ固定ホットボンドが経年で剥がれ、コンデンサが浮いておりましたのでグルーガンで再固定しました。・同様に片方のスピーカーの硬質スポンジバスレフポートを固定しているホットボンドも一部クラックがあり、手で揺らすとポートがぐらついておりましたので、そこもグルーガンで追加固定しました。
●問題のNGツィーターとユニット換装など最終補修に関して（画像7・8枚目）●・そのNGツィーターユニット、過去の所有者さんが＋－両端子とも平型端子部を折られ、配線側の端子にスピーカー側の折れた端子先がそのまま付いた
【仕様】・発売年：1970年頃・モデル：VS-450・・スピーカーユニット：オールアルニコ磁気回路ウーファー：布製コルゲーションフリーエッジの10cmコーン型 10RW02 ダイキャストフレーム・ダンパー裏通気孔有・大口径ボイスコイル・大型エッジ付きダンパーツィーター：5cmコーン型 50RT03※ただし現状TRIOのツィーターに換装済・インピーダンス：8Ω・再生周波数帯域：50Hz～18000Hz ±5dB・最大許容入力：60W(プログラムソース)・推奨許容入力：45W・単純音連続：3W・高調波歪率：3%以下 (100Hz以上、1m、90dB SPL)・出力音圧レベル：82dB・クロスオーバー周波数：2000Hz (12dB/oct)・BOX形式：フロントバスレフ型・スピーカー接続方法：プッシュ式ターミナル・大きさ：幅203mm×高さ289mm×奥行236mm・重さ：1本6.5kg・その他：高域レベル調整アッテネータ付

【お送りするもの】・スピーカー2本・オリジナルのNGツィーター1個・オリジナルのOKツィーター1個・当時のカタログ原本

【お願い】送料込～売切りますので、到着時に正常に鳴らない場合を除き、基本的にノークレーム・ノーリターンでお願いいたします。逆にもし到着時に正常に鳴らない場合は誠実に対応いたしますのでご安心ください。また当方入金等急ぎませんが、
・基本的にはオークション終了後24時間以内に